昨年12月20日(火)、本学の第1会議室において、モンゴル地理学・地生態学研究所(以下「IGG」という。)と地域と歩む防災研究センター(以下「SAFER」という。)による連携・協力に関する協定書の調印式を実施しました。
調印式では、SAFERの髙橋清センター長とIGGのダシツェレン長官からそれぞれの機関の紹介や協定締結で期待することについて発言があり、中村教授からはこれまでの経緯や今後の計画について説明がありました。
8月にSAFERの中村大教授が統括する、JICA「草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)・路床の凍上性に着目したモンゴル国ウランバートル市内における生活道路の質的向上に向けたプロジェクト」が開始され、IGGとは本事業のカウンターパートとして協力関係を築いてきました。
10月、中村教授と北見国際技術協力推進会議の担当者がIGGの現地視察を行ったところ、ダシツェレン長官から連携協定の締結並びに共同研究の実施について打診を受けたものです。(関連記事はこちら)
現在、モンゴル国では地球温暖化の影響を受けて、永久凍土の融解による土木構造物のダメージが顕在化しております。特に、ウランバートル市の道路には、路面の凹凸や亀裂等の損傷が多くみられ、これは、永久凍土の融解による地盤沈下や、一度融解した地盤が再凍結して凍上するためだと考えられます。
この連携協定を締結することにより、これまで本学が蓄積してきた「寒冷地工学」に関する研究成果や技術、教育実績を存分に活用して共同研究を実施し、モンゴル国内に存在する永久凍土の融解挙動の解明に取り組むことが出来ます。
さらに、得られた知見から、地球温暖化がモンゴル国のインフラに与える影響について明らかにし、その対策の立案をすることも期待されます。
握手を交わすダシツェレン長官(左)と髙橋清センター長(右)